大規模修繕工事の発注に向けて、
Pマンションの管理組合理事会も大分忙しくなってきた。
この種の工事の発注経験者がいないマンション管理組合では、
どうしても第三者機関に設計管理委託をせざるを得ない。
特に工事金額が億単位になるような場合はなお更だ。
Pマンションも、先月、競争入札で設計管理会社を選定した。
この構図とそっくりなのが、
私が関わってきた大型工事の発注者と設計事務所の関係だ。
この関係で、私自身も今まで億単位の工事を4回発注してきた。
これらの経験を通して、
設計会社がどのように入札業者と繋がるかを知ってしまった。
だから、多くの場合、競争入札が名ばかりであることも分かっている。
今回も、入札業者を業界紙で5社くらい公募するという。
そして8月頃に競争入札が行われ、9月には契約にという段取りだ。
それはそれで見守るしかないが、談合が行われないように、
それなりのリトマス試験紙を用意しておくつもりだ。
現在、個人的には、不動産投資家として、
マンション丸ごと一棟の所有から5部屋くらいの所有まで、
様々な形態で5棟の管理組合に関わっている。
Pマンションの場合は、竣工当初から14年間関わって、
修繕積立金を十分に確保するように見守ってきた。
また、関内のCマンションのように途中から管理組合に参加して、
いい加減な管理で修繕積立金が極度に不足しているケースも知った。
ただ、財務内容が優秀なPマンションの場合でも、
管理会社の作った修繕積立金の資料は常に少しずつ狂っていた。
前回の理事会でも早急に正確な修正資料を作成するように指摘した。
この先20年間の積立金の推移を正確に把握しないで、
工事内容の選別やその発注など出来る訳がないから。
毎年役員が交代するようなマンション管理組合では、
そんな財務内容の細部を理解している理事などほとんどいない。
だから、多少嫌われても、指摘すべきは指摘して、
間違った方向へ行ってしまわないように気配りをしている。
設計管理を担う会社は確かに素晴らしい資料を作ってくる。
問題は、それをどう使うかが管理組合の力量なのだ。
ここでも、設計管理会社から提出された資料を分析できる経験者は、
一般的には組合理事の中にはほとんどいないのが通例だ。
だから、それなりに経験を積んできた私のような人間は
出しゃばりだと分かっていても、必要な発言をすべきだと思っている。
それが後々、そのマンションのためになると確信しているから。