楽々人生マッピング

本読みの役立たず
「どうして読書三昧がいけないのか」とよく訊かれる。
私が社員として雇った人や自分の目で確かめてきた人たちの中で、
よく本を読んでいた人の多くは仕事の出来ない人だったのだ。
学生時代、本好きの物知り博士たちは還暦を過ぎた今、相変わらずの評論家だ。
お勉強はできるが社会に出るのが怖くて大学院に進む学生が多いと聞く。
彼らは本が好きなのではなく本に逃げ込んでいるだけなのだ。
学生だけでなく、そんな大人も結構多い。
本好きは、2千年近く前の三国志のような歴史書もよく読んでいる。
しかし、凡人がこの時代の本の内容を実践に応用するにはかなりの才能が要る。
あの論語もしかりである、ファッションとしては役立つが・・・
実社会は今動いている。
我々は評論家とは違い、今日の戦いに勝利しなくてはならない。
三国志もいい、論語もいい、しかし古すぎて応用が難しい。
過去から多くを学ばなくてはいけないが、大切なのは今だ。
実社会には怖いお兄さんたちもいて、その対応は教科書には書いてない。
外国に支店一つ出すにも、外国語が喋れればいいというものではない。
外国では、賄賂やハニートラップなどの誘惑も多く、
腹が据わっていないと解決できないことが実に多い。
本の虫たちには教養や豊富な知識があったのかもしれないが、
仕事では、能書きや屁理屈が多く実践対応が下手で、
業績で立派な結果を出せる人は少なかった。
それはまるでテレビに出てくる評論家そっくりだ。
実際に結果を出す必要のない彼らの傲慢な顔を見ると
朝から気分が悪くなるので、朝はテレビを見ないようにしている。
就業人口の80%の人々は中小零細企業の世界で生きている。
ところが本屋で平積みになっているビジネス書の多くは
大会社の成功秘話やそこの社長の成功体験を扱っている。
「世界のトヨタの成功秘話」
こんな大会社の成功ハウツー本を読んで中小企業に役立つのだろうか。
かなりの応用力がないと役立つようには思えない。
セブンイレブンの成功秘話を鈴木敏文さんの著書から学んでも、
所詮成功した時代も違うし、器が違いすぎる。
もちろん、全く役に立たないとは思わないが・・・
例えば、世界の景気や日本の景気についての本を読む前に
自分の住む市や町の特徴を調べた方がいい、生き残るためには。
今後10年間、自分が仕事をしていく街の人口は増えていくのか。
もし人口減少の所で仕事をしているのなら、それなりの手を打たねばならない。
三国志なんて引っ張り出して読んでも答えは書いてない。
大成功者からも多くを学ばなければいけないが世界が違いすぎる。
我々は凡人だ、あまりに大きすぎる成功談からの応用は難しい。
より近くで活躍する身近な成功者の言うことの方が即効性がある。
もし、実戦を楽しみ、今の世界で成功したいのなら、
もうそんなかけ離れた世界を扱った本を選ぶのは止めた方がいい。
自分に相応しい本を読むなら、そんなに沢山の本は読まなくて済む。
読書に使う時間と実社会で学ぶ時間のバランスが大切だと思う。
実戦が大変なので、無意識に読書に逃げている人が実に多いのだ。
もしご隠居さんでないなら、もっと実際に役立つ本を読み、現場に出よう。

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楽々人生マッピング への2件のフィードバック

  1. 寝坊ekatuki のコメント:

    先日NPO法人の集まりに見学に行ってきました。
    面白いのがメンツとその行動力の無さでした。
    会員の半分はカチカチ職人の親方、売れてない小売店主
    会員の半分は大卒院卒専門卒等の自称インテリ企業診断士軍団
    職人商人はオラガオラガに仕事回せ&んなもん小銭しかなんめぇ、の文句ばっかりです
    企業診断士は自分で言ってて手を汚さず&ため息つきながら職人商人に懸命に教えてる姿が笑えました。
    なぜなら「世界のトヨタの成功秘話」のような事を学んだが起業すらした事ない診断士が職人商人相手に四苦八苦していたので。
    まさに「本読みの・・」でした!
    勉強のためNPOは誘われればチョコチョコ見学に行くのですが最近こんなのばっかりです。
    今日私の中でこんな方程式が・・・
    物知り博士は実社会から本に逃げる
    oldschool職人商人は文句を言って逃げる
    結果
    読書に使う時間と実社会で学ぶ時間のバランスの悪い
    二者が合わさるとNPOや商工会議所で落ち合う!

  2. 高木 のコメント:

    私も沢山知っています。
    会社を潰したり、業績を悪くする企業診断士
    自分を豊かに出来ないファイナンシャルプランナー
    己の将来が読めない占い師
    知識と知恵のバランスって本当に大切です。

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