老い支度(30)

判断力の衰え(2)
板橋の資産家惨殺事件。
多くの人が内心思ったに違いない、
「あんな金持ち、殺されてもしょうがない」と。
もちろん口には出さないが・・・
あの資産家夫婦は「判断力」が衰えていた。
でも、本人たちはそれに気付いていない、
「まだ、こんなに元気だし、ボケていない」と。
そして事件が起きてしまった。
板橋だけでなく、多くの資産家も人の子。
夜の街で、いい気持ちになりたいのはよく分かる。
でも、「月の小遣いが300万」なんて言ったら、
更に、「家にはカメラを6台つけた」なんて吹聴したら、
そんな情報はあっという間に裏の世界に流れてしまう。
ボケるとそんなことも分からなくなるのだろう。
私の周りにはあの程度の資産家が何人かいる。
西区の友達は、用心深く超がつくほどの慎重派。
他人は家に入れないし、夜の街にも出て行かない。
夫婦でちんまり生きている、でも、こんな生き方は好きではない。
金沢区の資産家は、もっと資産を増やそうと、
あちこちの不動産屋と土地探し、株屋との情報交換。
会社が有名でも、担当者の素性までは分からないのに、あー、恐ろしい。
自宅は教える、隠れ家には招く、酒は酌み交わす。
もうすっかり情報は盗まれた、何時狙われるかと心配だ。
横須賀の江戸時代からの資産家は、いつも裁判所通い。
不動産のごたごたが年中5件はあると豪語する。
そんなに店子(たなご)を苛めちゃいけないのに。
その彼はもう67、判断力は大丈夫なの?
遊び好きな港南台の老人は、テレビで聞きかじったような知識で
千坪の自宅にカメラを9台つけ、有刺鉄線を張り巡らせた。
板橋の事件の後に、慌てふためいたように。
そういえば、彼も高額納税者番付の常連だった。
そんな素人が考えた防犯なんて、命を守るのには何の役にも立たない。
カメラは犯人捜しには役立つが、死んでから犯人が見つかっても意味がない。
それに、奴らは仕事が終われば日本にいない、カメラなんて気にしてない。
こんなことは今では誰でも知っていると思っていたが・・・
資産家も、知らず知らずにボケている、知らぬは本人ばかりなり。
だから、元気なときから正しい生き方を復唱するしかない。
「驕らず、謙虚に、慎重に、
目立たず、小さく、大人しく、
御免、済まない、ありがとう」

この家の弱点は?

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