チャレンジャー考

「儲かる話しがあるよ」
この言葉を聞いて、身を乗り出す人は意外と少ない。
よく言えば、この世の多くの人は賢明で落ち着きがある。
悪く言えば、注意深い臆病者ばかりである。

「そんな話しがある訳がない」
「俺にそんなことが出来る訳がない」
そんな風に考えている人がほとんどのような気がする。

もちろん、何事にも例外はある。
目を輝かせて、身を乗り出してくる人もたまにはいる。
そんな人はどんな人なのかを分析してみた。
私もこの類の人間であると確信している。
だから、先ず心に浮かぶ言葉は「おっちょこちょい」

「落ち着いて考えないで、軽々しく行動する人」
これが辞書に載っているこの言葉の意味だ。
「落ち着きがなく、軽々しい」 正に私そのものである。

挑戦者と呼ばれる人は行動する人だ。
問題は軽々しく行動するか、思慮深く行動するかの違いだろう。
つまり、チャレンジャーにはこの二つのタイプがあるということになる。
間違いなく、私は前者である。

一般的に、チャレンジャーは勇敢だと思われているが、
チャレンジャーが勇敢だなんて軽々しく思い込んではいけない。
太平洋横断をしたあの人も、北極で死んだ冒険家も、多くの登山家も・・・
もしかしたら勇敢なのではなく、ただのおっちょこちょいなのかも知れない。

おっちょこちょいの私は、新規事業を始める度に、急に怖くなる。
「なんで始める前にもっと考えなかったのだろう」と後悔する。
我が人生、そんなことの繰り返しだった。

でも、思慮深過ぎて行動できない人よりはいいと思っている。
「先ず、やってみる」が好きなのだ。
それが人生の成功者に繋がるか否かとは別問題だ。

小さな成功の後の行動の仕方が成否の分かれ目だと思う。
成功し続ける人は、小さな成功後に図に乗らない人なのではないだろうか。
例えば、彼らは図に乗って夜のクラブで大盤振る舞いはしない筈だ。
成功しても、成功しても、地味に生活する。
それが大成功者への道のような気がする。

だから、今夜も街へ出たい気持ちを抑えて布団にもぐり込むことにした。
「お休みなさい」


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