老い支度(26)

芸能人の老後対策
学生時代、新橋の赤レンガ通りで喫茶「舞」を経営していた。
それなりの利益を出していたので、赤坂や青山で2号店も探していた。
そんなとき、よく芸能人とバッティングした。
今はなき地名の霞町の交差点で売り物の店が出た。
仲介の不動産屋が言う、
「すぐ決めないと、園まりさんが買ってしまいますよ」
内心買うのが怖かったので、ぼそぼそと答えた。
「それならそれでしょうがないです。十分検討してからでないと買えません」
園さんは私と同じ1944年生まれだった。
青山でも、原宿でもいろいろな芸能人と店舗開業の話をした。
よく通った店には美川憲一さんやピーターさんが出入りしていた。
その付き人やマネージャーとよく話した。
今でも、芸能人は皆「いつかは人気がなくなる」と恐怖心を抱いている。
だから誰もが副業を考え、「店をやりたい」と言う。
そして、その多くは飲食業。
彼らのほとんどが店を出しても5年と続かなかった。
20代に出した店で老後の生活を支えられる芸能人はほとんどいなかった。
多くの場合、彼らの周囲にはその道の専門家がいなかったし、
お金の面で信頼の出来る人に守られているケースは皆無に思われた。
だから、派手な生活をしている彼らは食い物にされることが多い。
20代の主に誠実に仕える40代、50代の側近などいる筈もない。
芸能界は「妬みの世界」なのだから。
1998年にオーストラリアのビル建設計画に絡んで
矢沢永吉さんが35億円の巨額詐欺にあったとされる事件は余りにも有名だ。
腹心の部下は刑に服したが、お金はすべて永ちゃんが返済したという。
並みの芸能人なら一生かかっても返せない莫大な金額だ。
ともかく、本人でなくその取り巻きで苦労した芸能人は数限りない。
島倉千代子さんの事件は有名だし、八代さんや美川さんも被害にあった。
近未来通信の大地真央さん、平成電電の高橋克典さんもある種の被害者だ。
私は思う、芸能人の老後生活コンサルタントに最適なのは私ではないかと。
今更罪を犯してまでのお金を必要としていないし、
不動産活用の経験は半世紀に及ぼうとしているし、
実績は数字としてきちんと残したし、社会的信用も抜群だ。
先日、こんな内容をある芸能関係者に話したら、
「うってつけだ」と大きく頷いていた。
芸能人の老後の生活設計のお手伝いでもしようかな。

霞町交差点には小泉・ブッシュ会談で有名になった「権八」がある。
安くて旨いいい店だが、当時はもちろんこんな店はなかった。
それに、今では霞町交差点とは言わず、西麻布交差点と言う。

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