終の住み処

健康的な視点での老い支度が40代からなら
経済的な意識としての老い支度は30代からだ。
何故なら、30代は終の住みかを建てる最適な年齢だから。
「15にして学に志し、30にして立ち、40にして惑わず、50にして天命を知る」
孔子が「立つ」という言葉で何を言いたかったのかは知らないが,
私は勝手に、自立つまり「親からの独立」だと考えていた。
だから、「いくら借金をしてでも家を建てなければ」と思っていた。
もちろん、マンションの購入だって構わなかったのだが・・・
自分の知っている銀行では、ローン完済時の年齢は大体80歳。
と言うことは、30年ローンだと50歳辺りが遅い方の限界だ。
ましてや、年金代わりに家作の一つも欲しいとなると
家の購入が30代でないと、家作の購入までは手が届かない。
もちろん、孔子がそんなことまで読んだとは思えないが・・・
Pマンションの住民は本当に多士済々で楽しい。
昨日は元大手建設会社の部長だった田辺さんが遊びにきた。
茶飲み話から「このマンションは何年大丈夫か」という話題に。
彼は自分の経験から、「100年は問題ない」と自信ありげに言う。
それを聞いて、マンションが終の住みかに適うものであると確信はしたが、
そうは言っても、メンテナンス次第であることは間違いない。
孔子の言う通り、このPマンションには30代での購入者は実に多い。
そして、入居後にお子さんを産んだ所帯は実に20近くに及ぶ。
「このパークスクエア・ベイビーの更に次の代までは大丈夫だね」
「だから、次の世代に感謝される立派なメンテナンスをしよう」
「最大の問題は水道管と排水管の老朽化だね」
「水道管は核磁気工法の延命工事で問題解決だけど・・・」
「排水管は年に1回の清掃で大丈夫なの?」
「問題ない筈だけど・・・、人の血管と同じで一番のポイントだね」
こうして、お互いに変に気負って、壮大な会話を楽しんだ。
老い支度で欠かすことの出来ないのが「住まい」の問題で、
特に、その住まいが何時まで使えるかを知っておくことが重要だ。
戸建てなら自分ひとりで考えればいいのだが、
マンションになると、大勢の意見がバラバラで本当に答えが出せない。
ほとんどの住民が、真正面から真剣に考えることをしないから。

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