仕事は遊び

米軍属の人に貸している不動産物件が幾つかある。
ほとんどの場合、彼らは2年で転勤になり、退室する。
だから、2年が経つ頃にはこちらも落ち着かなくなる。
「すぐに次の人が決まるといいが・・・」

浦賀の物件でそんな心配をしていた矢先、
管理会社から電話が入った。
「今まで入っていた人の友人が引き続き入るそうです」
理由を聞くと、建物が綺麗で庭の雰囲気がいいからだと。

建物の手入れ、特に庭の手入れは私の趣味の延長線上。
庭木の剪定なんぞは仕事ではなく、無上の楽しみなのだ。
だから、もったいなくて他人に頼むなんてとてもできない。

浦賀の貸家は土地が70坪で庭がかなり広い。
初夏の一日、車に庭の手入れ用具一式を積んで出かける。
先ずは、門かぶりの木から。
切っては眺め、切手は眺め、形を整える。
次は玄関横の巨大なカポックの形を整える。
最後に紫陽花や玉つげ、小葉のランタナなどの無駄な枝を切る。

天気のいい日にゴルフに行けば最低でも1万円は使うが、
庭の手入れなら身体にもいいし、お金も出て行かない。
そして、それが満室経営に繋がれば、一石三鳥である。

だから、自分では、
「遊んでいてお金が入る」と錯覚している。
ビル建築や事業用の土地探しも同じように楽しくて仕方ない。
一事が万事これだから、私は実に脳天気で幸せな男だと思う。


初夏のベランダ。
安っぽい花と思われているゼラニウムだが、
このベランダのゼラニウムは誰もが「凄い」と褒めてくれる。
リンサンを少し多めにした肥料をあげているからだろうか、
毎年真紅の美しい花を楽しませてくれる。

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