事業の世界は目まぐるしく変化していく。
そんな世界を生き抜くためにセミナーにはかなり頻繁に足を運ぶ。
今日のセミナーのテーマは「定期借家契約」
昭和16年の戦時体制下、
戦地に赴く軍人の士気を高めるために改正された借家法は
一家の柱が亡くなっても銃後の家族が路頭に迷わないように
借家人に居住権という日本にしかない変な権利を与えてしまった。
戦後、この世界に稀な借家法により日本の街はスラム化していく。
結果、神戸の大震災で長田区の商店街は全焼し、多くの死者を出した。
この大惨事でやっと政府も動き、新しい「定期借家法」が施行された。
しかし、あれから8年、この新法と以前の法律が混在し
依然として日本の街の近代化は遅々として進んでいない。
居住権に付随した立退料が大きな障害になっているからだ。
現在、この新法を理解している大家さんはほとんどいないらしい。
8年経っても、街の不動産屋さんがこの新法を使いこなせていないのだ。
当然大家さんも旧態然とした借家法に泣いていることが多い。
旧法では賃貸借契約は期日が来ると「更新」か「法定更新」になる。
法定更新とは早い話が永久に借りることを法が認めるということ。
正当な事由があっても更新を断ることはほぼ100%不可能なのだ。
無理に退去させるには法外な立退き料を用意しなければならない。
だから、日本の街はいつまでも雑然として汚らしい。
今後建替えなどの予定がある場合は
早々に「定期借家契約」にしておいた方がいい。
一番の違いは新法では「更新」ではなく「再契約」となる。
そうなると、必然的に入居者よりも大家の立場が強くなり
入居者は「契約満了時に追い出されるのでは・・・」と考える。
その不安を解消するために、「条件付再契約保証」なる条文を入れる。
また、賃借申込人から説明を受けた旨の説明書受領書を受け取り
さらに、契約書は公正証書にしなければならないなど等
8年経って浮き彫りにされた問題点を3時間も勉強した。
「あー、疲れた」