ネオンが灯ると足の向く小料理屋が数軒ある。
行けば顔見知りの何人かに必ず会う。
料理も旨いが、話も楽しい。
「男の魅力を5つ挙げたら・・・」とHさん。
「経済力、包容力、誠実力、それから・・・」と答えると
「性力、面白力」と隣の客が続ける。
「面白力って何?」
「知的で、話題が豊富で、料理も少し出来たりして・・・」
「社長のCEOはcrazy erotic onanist の略だなんて
博学なことを言ったりすること?」
「ガッ、ハハハ、その通り」
「この内いくつ持ち合わせていればいいのかな?」
「5つは無理だ、三つで十分だな」
「一つだと離婚は立派に成立するよね」
「二つなら?」
「二つは平均点で、合格だよ」
「年をとると性力は減るけど、経済力が強まるね」
「学歴は?」
「経済力に関係するけど、魅力ではないね」
「家系によっては学歴を重視するけど、魅力とは違うね」
「そうだよね」
「顔や背は?」
「んーん、難しいな、女によるのかな」
「それはともかく、臭い男は絶対に嫌われるよね」
結局、最後まで結論がでない。
こうやって今日も上大岡の夜が更ける。
帰り道、自分はどうかと真剣に考える。
夜道の寒さが身に凍みた。
写真説明:斑尾芸術祭でフィンランドから来た
若いコックさんと。斑尾の雪は最高だと彼も言う。