渡辺淳一が面白いことを書いている。
「年齢と共に親友は減る」と。
流石に売れっ子小説家だけのことはあって
含蓄のあることを言う。
高校、大学なら誰だって友達の数人はいる。
それはそこが横の社会だからだと彼は見抜く。
ところが、社会に出て、会社などに入ると縦社会になる。
入社して同期に出世の差がないときは横の意識がある。
しかし、出世に差が出、収入や生活に差が出てくる。
同期の間に嫉妬や妬みが渦巻き始め、縦の意識が強くなる。
当然親友意識は失せ、敵対意識が生まれる。
高校、大学の仲間との間にもそんな感情が生まれる。
「同窓会に行っても出世した人は浮いている、だから
周りを傷つけないように十分に気を遣わなければならない。
そうすると疲れるから、もう同窓会には行っていない」と彼は言う。
こうして、縦社会の平均帯から離れた人ほど
真の親友を持つことが難しくなっていく。
では、そんな浮いた男はどうやってその寂しさを紛らわすか?
そこが彼らしい結論になる。
「妻でも彼女でもいい、本音を語れる女性が必要だ」と。
男と女の間には縦の関係はないのだそうだ。
同感である。
写真説明:秋の蓼科、八ヶ岳を望む。
今日も蓼科大好き人間と朝のお茶をした。