「電気の検針メーターが壊されました」
夜10時、トランクルーム会社からこんな一報が入った。
そこは3階建てのトランクルームの建つ時間貸し駐車場。
「壊した車は分かっているの?」
「はい、大丈夫です、弁償させますから」
大したことがなさそうでほっとする。
それから10日ぐらいして
「相手が損害賠償を請求してきました」
「えっ、こちらが損害を受けた方でしょ?」
「ええ、でもメーターが出っぱっていたのが悪いって」
「それで」
「弁護士から25万円を請求請求する内容証明が・・・」
話には聞いていたが
日本もとうとう訴訟社会に突入かと耳を疑う。
悪徳弁護士には慣れているので驚きはしないが
相手の言う通りに払うつもりもない。
「裁判でもやるか」と、準備にかかる。
相手の要求を無視して1週間
「どうするんだ」と矢の催促。
現場を何度も検証し、勝てるかどうかの打ち合わせを。
「最低でも2万、最高なら修理費の半額の支払い義務あり」
これがこちらの弁護士の見解。
更に裁判にかかる費用が10万前後だという。
全てを勘案し、裁判を避け、「8万円でどうか」と回答した。
しかし、相手は「半額出さないなら裁判だ」といきまいている。
再度こんな馬鹿げた要求を無視。
程なく相手の弁護士からこちらの案で和解するという返事。
この壊した男はトータルすれば一銭の得にもならなかった筈。
結局、小利口ぶって損をする人間の典型だ。
もちろん、こちらは最終的には一銭も損はないし、
「勉強ができた」という点では逆にいい事件だった