一元報道の怖さ

いつもの小料理屋での政治談義。
リビアのカダフィを抹殺すべきとの意見が大勢を占めているが、
へそ曲がりな私が口を挟むとその場の空気が一変する。

「でもさ、反体制派の陰にはアルカイーダがいるような気がする。
あの石油の莫大な利益がアルカイーダに流れたら世界はどうなる?」
すると途端に、異口同音に、「それじゃー、俺もカダフィを支持するな」

テレビの司会者の報道が如何に国民をリードしているかが怖い。
中東の歴史など何も知らずに、偽善者そのものの単純な報道姿勢。
「市民に銃口を向ける鬼のカダフィ」という単純設定に唖然とする。

アメリカにNATOと行動を共にするのを躊躇させるアルカイーダの影。
イラン革命のことを思い出せば、結構あり得ない話ではないのに。
あれほど一気に民主化の火の手があがるのがおかしいと思わないのか。
陰でアルカイーダが糸を引いている可能性をなぜ疑わないのか。

震災解説で「不謹慎不景気」を煽る偽善的報道にも心底腹が立っている。
特に古館の全てが一元的、一面的な意見を聞くと、寝れなくなる夜がある。
朝のモンタから始まって夜の古館まで、決め付けたものの言い方が怖い。

「市民に銃口を向けるのは許せませんが、
民主化運動なのか裏のある暴動なのかがよく分かりません」
「被災者の苦しみを考えると桜まつりどころではありませんが、
イベントの中止で不況を招いては更なる日本の苦しみになるのでは」
彼らがそんな深い言い方をしてくれたらと願ってやまない。

※リビアが第二のイランになることが怖いのだが・・・
 1979年のホメイニのイラン・イスラーム革命後の
 恐怖の再現にならないことを願ってやまない。
 今の中東の混乱があの革命後から始まっているのだから。
 中東の歴史は「人道的」なんて背景では動いていないのだ。
 イラン石油の利権歴史をひも解けばそんなことはすぐに分かる。

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