一人では生きられない

時間貸し駐車場の運営方法は
大きく分けて三つ。
一括貸し、混合、自営
右に行くほど、儲けは多くなり
その分、自分の仕事も多くなる。

一括貸しというのは
タイムズさんのような時間貸し駐車場の運営会社に
全てを任せ、毎月土地の賃料だけを頂く方式。
町で見かける駐車場の7割前後がこれだろう。

元々月極めの駐車場をやっていた地主に
「もっと儲かる時間貸しにしませんか」と
訪問営業をして、業者が借り上げているのだ。

いくらで借り上げるかというと
「相手次第」という大雑把な世界。
相場感覚のない無知な地主が相手なら
儲けの2〜3割くらいしか払わない。

例えば、月極め一台2万円で貸していた地主には
「一台3万円払いますから」と言って借り上げる。
例え毎月10万円売り上げる時間貸しであっても。
5台で15万円しか払わないから、儲けは35万円。
業者は笑いが止まらない。

実際、こんなケースがざらにある。
もし、地主に相場感覚があれば
50万円の売り上げの場所なら
よくても10万円しか払わないだろう。
つまり、地主の儲けが40万円。

この天と地ほど違う現実をどう思うか?
これが8月に書いた文の根拠だ。
「外に出て、相場感覚を身につけよ」
不動産業成功の基本中の基本だ。

自営方式とは
集金、掃除、トラブル対応の全てを自分でやる方式。
中でも面倒なのがトラブル対応。
その中でも特に大変なのが「乗り逃げ問題」

一つの乗り逃げを放置すると
数ヶ月でその駐車場の売り上げの3割以上が乗り逃げになっていく。
「乗り逃げが乗り逃げを呼ぶ」のだ。
私の知っている恐ろしい例は
月の売り上げが170万円、そのうちの70万円が乗り逃げ。
地主への支払いが90万だから、業者の儲けは10万あるかないか。
もちろん、ひどい月には赤字転落。

塾の時代もそうだった。
一人の横暴を許すとあっという間に組織が崩壊する。
だから、厳しくするか、やめるかしかなかった。
「何事も中途半端は許されない」というのが
私の人生での結論だ。

そして、最後が混合方式。
私はこの方式で運営している。
集金や掃除はその道の専門家にお願いする。
そして、トラブルの対応はそのS氏と一緒に解決を目指す。

一括なら、トラブルの話は地主には来ない。
混合方式では、
「こんな事が起きました」とS氏から一報が入る。
お客さんが駐車場の柱に車をぶつけて
「損害賠償を請求してきた」なんて電話も入る。
一瞬、話が違うと耳を疑う、
「そこに柱があるのが悪い」という。

こんなことが裁判になる時代だ。
私は、裁判も好きだから、
「大いにやろう」という展開になる。

これが混合方式。
混合運営では優秀な実績のあるS氏と一緒に
乗り逃げの犯人にお金を取りに行くこともある。
それが有名な俳優さんの弟だなんてこともあった。
こんな煩わしさを嫌う人には「一括方式」しかない。

「どちらがいい」という問題ではなく
生き方、楽しみ方の違いだと思う。
「一人でやれる仕事」などこの世にはない。
だから、私は人一倍、周りの人に感謝している。

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