不動産投資で報われる土地の条件とは何か。
一言で言えば、希少物件ではないだろうか。
投資の具体例を挙げながら「希少」について
考えてみた。
医療ビルへの投資に熱かった時代がなつかしい。
候補の土地が紹介されると、最初にするのが
診療圏調査だった。主たる調査項目は
① 前面道路を中心とした通りの歩行者数
② 周辺1キロ圏の住宅数
③ 最寄り駅の乗降客数
④ 周辺の人口増減、人口構成
⑤ 周辺の競合診療所数
⑥ 都市開発計画
⑦ 総合病院との位置関係
現在の歩行者数が多くても、都市計画次第では
流れが変わることがある。
だから、①と⑥は密接に関係してくるので絶対
必須条件だ。また、歩行者の目的が駅への往復
なら、②と駅との関係は不変的な条件だといえる
のでかなり安心だ。しかし、商店街だと、新し
い商業ビルでも建てば、簡単に変わってしまう。
周辺の競合診療所数も⑤の開発計画と大きく
関わってくる。駅周辺に区画整理事業予定が
あれば、開発された後、新しいビルに競合が
多数現れることは明白だ。だから、現在の
競合診療所だけの調査結果は信頼できない。
このような項目を全てクリアする物件は
なかなか見つからない。だから、それこそが
希少物件というわけだ。昔から、不動産の
希少物件の確率を「千三つ」というが、実に
言い得て妙な表現だと思うことが多い。
希少物件の場合は、万が一計画した企画が
上手くいかなくても、外への転用が簡単なので、
失敗するということは先ずありえない。
それこそが、希少物件の希少足る所以なのだ。
さて、根気よく歩き回って貴重な希少物件を
事業化すると、そのリターンはとてつもなく
大きい。ところが、こんな希少物件に出会う
確率は宝くじよりずっと高い。なのに、
何故か人はこの希少物件探しに余り興味を
抱いていない。とても不思議だ。
そんな希少物件の条件は事業によって変わる。
例えば、美しいビーチで商売をする事業とか、
渓流でのキャンプ場とか・・・ そうは言っても、
希少物件の一般的な条件が無いわけではない。
① 駅から2分以内
② 主要道路に接する角地
③ 幹線道路沿いの300坪以上800坪未満の整形地
④ 高層ビル街にぽつんと空いた狭小地(30坪は欲しい)
⑤ 開発直前の周辺用地
⑥海辺や丘の絶景ポイント
コロナ禍の折、外食系の店舗の撤退が激増した。
しかし、希少物件しか所有していないオーナー
たちは、それほどの被害を受けていない。例えば、
ジョナサンが撤退しても、スシローや丸亀製麺が
出店依頼してきたりするから。
ビジネスは死角を持たないことが肝要なのだ。
絶好調の時にこそ死角つぶしをして、コロナ禍
にもびくとみししない常勝軍団になる工夫を
していかないといけない。