不動産貸付業を始めた頃、
私は幽霊所得の存在を頭に入れていなかった。
なので、
「稼いでいるのに、何故お金がないのだろう?」
と頭をひねっていた。
仮に1億円を20年返済・年利1%で銀行から
元利均等借り入れをして、駐車場経営を始めた
とする。初年度は利息分が月額8万円、
元本の返済が月額37万円という事例で考えてみる。
※例によってかなり大雑把である・・・(笑い)
さて、3月の確定申告での課税所得は
目出度く1千万を少々突破したとする。
そこで、家の生活費分として月30万円(年額360万円)
を妻に渡し、後は所得税200万円と消費税120万円、
諸税50万円を納め、残りは貯金をしようと
お金を数えた。あれあれ、現金がほとんどない。
「どうして?」
そう、元本返済の年額444万円が
課税所得の対象だったの上に、銀行に
払ってしまったので影も形もなく、
「幽霊所得」となっていたのだ。
しかし、現金が手元になくても立派な所得
なので、それには税金がかかっていた。
こんな怖い借金をしたのに、手元には何も残らず、
ただ黙々と生きていただけだったのだ。
「憧れていた売上1300万、課税所得1千万円って、
こんな惨めな生活なんだ」と超落胆。
特に地主の子でなく、普通の家に生まれたら、
スタートは全て借金でやるしかない。そうすると、
このように幽霊所得に悩まされる。このときほど、
「地主っていいなー」と思ったことはない。
さらに恐ろしいのは、この幽霊は年とともに
成長するのだ。返済完了が近づくと、もう返済
のほとんどは元本の返済で、経費で落ちる利息
なんてほんの僅かになっている。
ところが、こんな大切なことを知っている
事業経営者は意外と少ない。
※元利均等で借り入れた場合。
今の融資はほとんどがこのタイプ。
この難局を突破するためにはどうするか?
今度は、対抗して、幽霊経費を作るしかない。
そう、実際にはその年にお金が出て行かないのに、
経費として立派に認められる減価償却費を
増やすしかないのだ。つまりは、更なる投資を
して積極経営に打って出るしか生活を楽
にする方法はない。
この原理を応用して、10億円の借金をして
アパート経営で財をなしている35歳の
教え子がいる。要するに、不動産貸付業で
大成功するには、最初から10億以上の借金をして、
生活費分の30万円を10倍つまり300万円に
するしか豊かになる方法はないということだ。
ただ、この大設備投資には更なるメリットがあり、
設備投資後の減価償却費の効果は絶大なもの
となる。減価償却費は損金となるため、
固定資産の取得は二次的に減税効果
(Tax Shield、節税効果)を持ち、
300万にプラスαの収入をもたらす。
もし、この企業活動を長期に行えば、最終的には、
繰り返される設備投資からのキャッシュインが
キャッシュアウトを大きく上回るようになる。
結果、大富豪への道が開ける。
さー、10億円の借金をしますか?
20年後の大富豪を目指して・・・