「彼のその話は千回聞いたよ」
友が尋ねて来て、共通の知人の噂話に花が咲く。
同じ話を繰り返すのは年寄りにはよくあることだ。
しかし、この「彼」の同じ話の繰り返しは異常だ。
なぜこういう人間になるかの建設的な話に進む。
「彼は話しの駒が10個しかないんだよ」
「ということは、フローさん、半蔵さん、大さん、
・・・・・・・・・・・・・の10個だね」
「どんぴしゃ、その話だけしか引出しがない」
「でも、還暦過ぎたら、そんな人間だらけだよ」
話しているうちに、我が身が心配になってきた。
ひょっとしたら、自分も同じなのではと・・・
ただ、このタイプは話好きにはよくあるが
己は聞き役タイプだから心配ない筈だ。
自分の世界が変化しない人
新しいことを取り入れない人
過去の世界に生きている人
自慢話しが好きな人
こんな人たちは、どうしても同じ話しかできない。
理屈から言っても、どうしてもそうなってしまう。
本当に可哀想なことだと思うが、
そんな人に限って、見事な鈍感力を備えていて、
相手の立場など我関せずで生きている。
ただ、意外にも、彼らは幸せな時間の持ち主だ。
周りの状況を読めない鈍感力を身につけて、
それでも自分は皆に好かれていると思っている。
加えて、孤独でも幸せだと思う嫌われ力も備え、
毎日を自分なりに楽しく生きている。
その意味で、
年に一度は、彼に会って、
その強さを学ぼうという結論になった。
I’ve been sensitive since I was born.
So, I wanna be a person
who is insensitive to everything.
In other words,
I’ve been starving for insensitivity.
In addition,
I wanna be a person that doesn’t care a bit
about being avoided or hated by friends..
That is, I wanna have the power not to mind about
being avoided.