建築請負契約:1

急成長している教え子たち。
彼らの多くが余剰資金を不動産投資に回す。
その作業の中で怖いのが建築請負契約。

彼らの多くは人生に何度もない請負契約で、
かなり無造作に印を押してしまう。
「自分は何も知らない」という自覚がない。
当然、重要なチェックポイントも知らない。
でも、一人で契約に行く。

そりゃあそうだろう。
常に成績優秀で大人になった彼らだから、
「分かりません」などと思いたくもないのだ。
「教えて」なんていう習慣もなく、
第一プライドがそれを許さない。

何千マンの契約をするのに、
どんな物が建つのかも認識しないまま、
当日初めて見せられた契約書類に
「ここですね」と署名して印を押す。
分かったような顔をしながら。

さて、押印後に一番多いトラブルは?
言わずと知れた「追加請求の大嵐」
建物の仕様が曖昧なままの契約だから、
業者にすれば、追加費用など取り放題。

本来なら、印を押す前に、
仕様を決め、住宅設備を詳細に煮詰め、
それからやっと契約なのに、後先が逆だから、
建築会社の思いのままの追加請求。

契約書には、
必ず仕様書、各種図面、見積書を添付する。
平面図だけ見て、有頂天になってはいけない。
建物で一番大事なのは土台と屋根と断熱。
普段見えないところが一番大切なのだ。
そこを念入りにチェックする、押印の前に。

投資用アパートの建築契約をしてきた彼に聞いた、
「外部階段の鉄には亜鉛のドブヅケをするの?」
返ってきた答えは、「任せてあります」
それから先は怖くて聞けなかった。
「こりゃ、借金に苦しむ成金芸能人と同じだわい」

ところが、グループの一人が最近建てたビルでは、
追加工事はあったが、精算は逆にマイナスに。
なぜなら、建物完成後の精算時に、
減額工事と増額工事の突き合せをしたら、
減額費が増額費をかなり上回っていたから。

例えば、見積書には
ガードマンが2人×50日と入っていたが
実際にはほとんどつけていなかったので、
精算時に、150万円の減額とした。

その他、仕様変更などがあれば、
逐一資料を要求し、原設計との比較をした。
兎に角、良い建物を建てるには、
発注者の情熱が業者に通じることが肝要だ。

An excessive pride spoils life.
Let’s become a person to be able to say
“I can’t understand it.”

実際の最終精算書
プロが見れば、見積りよりは
実行の方が減ることも少なくない。
但し、始めがいい加減ならそれは無理。

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