人を褒めたい

「学生時代、あの人はお高くとまっていた」
中高時代の仲間が私をそう言っているという話を耳にした。
実は、私は自分では実に謙虚な人間だと思っているのに。

しかし、今回のように不遜とかお高いとか生意気とかいう
自分が思ってもみない言葉で評価されることが
実際には何度かあった。
若いときはこんな言葉を聴くたびに滅入った。

ところが、五十路を過ぎた頃から考え方が変わってきた。
「これは褒め言葉なんだ」と思うようになったのだ。
要するに、陰でこんな風に言っている人は
「高木にはかなわない、悔しい」と思っているに違いないと。
でも、素直には褒めたくはないから
「生意気で、お高くて、不遜だ」などと言っているのだ。

その人は自分が気持ちの上で
完全に負けていることに気付いてはいないのかも知れない。
もし、何かで勝っている点があれば
「あの人もやるねー」という心の余裕が出てくる筈だ。

いくつになっても、素直に人を褒められる人でありたい。
少なくとも、悪口だけは言いたくない。
そう、年をとったら、水平線のかなたを眺めて
「あいつはいい奴だったなー」と多くの友人を思い出したい。

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