年の瀬、
破産した人たちの話題が多い。
近々破産しそうな人たちの顔も浮かぶ。
来年から相続税が上がるからか、
相続税対策という言葉が新聞を賑わせている。
対策を勧めるのは銀行、税理士、コンサルタント。
そして、10年後にその対策で破産するのが地主さん。
10年前、300坪、3億円の地主だったYさん。
地元横須賀の税理士が計算した相続税額は1億円。
Yさんの相続人である息子の貯金は1千万。
これでは、親から貰った土地を売らなければ・・・
困ったYさんは相続税相談会へ。
答えは相続税対策としての賃貸マンション建設。
銀行の融資額は4億円、Yさんの心は躍った。
「俺もこれで地元の名士だ」
4億円の建物は
建てた途端に相続評価が60%で2億4千万円。
3億円の駐車場だった土地は
上物がのって評価が80%に下がって2億4千万円。
合わせて4億8千万円から借入金4億を引くと
何と、3億円の相続物件が8千万円に大化け。
こうなるとこの金額の相続税は800万円前後だから、
土地を売る必要はない、夢のような話ではないか。
「やっぱり専門家は違うな!相談会万歳」
「来年は家賃で海外旅行にも行こう」
あれから10年、この暮れ、Yさんは破産して長野に転居。
当初から4億円の融資の返済は毎月200万を超えていた。
しかし、長引くデフレ不景気と横須賀の不人気で、
建築後5年を過ぎた頃から入居率が急激に悪化、
毎月の家賃収入が180万前後にまで落ち込んだ。
あの優しかった銀行さんや税理士さんは
「売って残債務を一括返しましょう」と・・・
そして、やっとこさ売れた価格が2億円、
これでは到底融資残額にも届かない。
結局は最後の砦の自宅まで売る羽目に。
こんな悲劇の序章が
来年から日本中で始まるのだ。
「スタートは読めても、10年後は読めない」
だから、こんな悲劇の連鎖が止まらない。
※Yさんの対策のどこが間違っていたのか?
勿論、正しくやれば破産などしなくて済んだ。
無知は本当に怖い、
でも、本人はその無知に気付いてはいない。
だからこそ、真実を語る賢人を友に持つべきなのだ。