タダでも売れない土地

そろそろ今年の地価調査の結果が発表される。
マスコミの決まりきったヘッドラインは
「全国一地価の高かったのは○○○」

全国約26千箇所の地価を鑑定士が算出するのが地価調査。
私が興味を持っているのは「全国一地価が安いのはどこか」
そして、いくら払わないと買ってくれないかの数字も欲しい。

この50年間、不動産で失敗したことはない。
ただ、唯一失敗したのがゴルフ会員権売買。
バブル時には手持ちの会員権価格が10億を越した。
ところが、バブルがはじけた後には、
お金を出さないと買ってもらえないゴルフ場まで現れた。

そんな頃、知人から伊豆の別荘地の話が舞い込んだ。
「ただでいいから貰ってくれないか」というのだ。
金を払って会員権を処分したことのある私だから、
「300万くれたら貰ってあげる」と返事した。
知人は憮然としていたが、私の返事は正解だった。

あれから20年、未だに売れなくて、
可哀想に固定資産税を払い続けている。
もし彼が死んだら、この土地はどうなるのだろうか。

二人の息子は当然相続放棄をするだろう。
もし固定資産税の未納があれば熱海市が没収するのか。
でも、管理費のかかる何の価値もない土地なんか没収するか?
では、相続放棄の結果だから国有地になるのか?
そのうち、こんな土地を残された相続人は
お金を払わなければ相続放棄ができないなんて法律が出来るかも。

ところで、人が住めるまともな土地で全国一土安いのは
北海道雨竜郡幌加内町字朱鞠内6400−14で1㎡が800円。
300坪でも約80万だから軽自動車より安い。
そして、一番高い千代田区5番町の3千分の一。
でも札幌からバスを乗り継いで3時間のこんな土地を買いますか?
住んでいる300人の方々には申し訳ないが・・・

これから日本中に「売れない土地」が続出するのは間違いない。
自然保護団体の皆様、おめでとうございます。
日本に嫌と言うほど自然が戻ってきますよ。
ちょっと悲しい歴史つきの自然ばかりでしょうけど。

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