良い建物を建てるには

30年前、横須賀に分譲マンションを建てた。
1階に学習塾を入れたのは言うまでもない。
当時、この建物の前面に普通車4台の駐車場を作ったつもりだった。
「つもり」と書いたのには意味がある。
この駐車場は前面道路までの距離が短く、今日に至るまで軽しか置けない。
建物の配置次第でいくらでも距離は取れたのに・・・
私がいけなかったのか設計士がいけなかったのかは判らない。
ただ、いずれにしても非常に不便な駐車場であることは事実だ。
30年経った今でも、建てる前に気付かなかったことを反省している。
私は今でも毎年のように建物を建てている。
その度にこの昔の経験を思い起こし、二の舞を踏まないようにしている。
そう、設計士に全面的に頼ってはいけないと己を戒めているのだ。
良い建物を作るために一番大切なことは発注者の情熱と知識。
反対に、一番の障害は発注者の不勉強からくる無知と「お任せ」の依頼心。
とにかく、発注者の「いい建物を建てるぞ」という情熱は欠かせない。
今は老人施設の建設を考えて、かなり夢中に勉強をしている。
その勉強会でよく言われるのが、「最高能率の設計」
福祉の世界は従業員だけでなく経営者もぎりぎりのところで頑張っている。
肉体的にも経済的にもぎりぎりなのだ。
このぎりぎり状態を少しでも楽に出来るかどうかは設計次第。
例えば、グループホームの「9部屋のツーユニット設計」
この知識無くしてグループホームの黒字化は考えられないらしい。
経験してきた学習塾にも「最高能率の設計」があった。
例えば、この類の子供の施設には送迎用のスペースは欠かせない。
しかし、このことにまで気を配った施設は少ない。
どんな建物でも出来るだけ多くのプロに意見を聞くのがいい。
でも、最後は「自分」だ、お任せではいい建物は建たない。
確かに、金を出せば建物は建つが・・・・

木立の中に佇むスポーツマンクラブのレストラン。ここでのひと時が好きだ。

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