老朽化

「古くなって使い物にならなくなること」
これが辞書に出てくる老朽化の意味だ。
人として老朽化した人物を挙げろと言われたら、
竹村健一、石原慎太郎が真っ先に頭に浮かぶ。

先日、80を過ぎても老朽化していない人物と出会った。
マンション管理の紛争で依頼した83歳の弁護士だ。
この歳で週に2回ゴルフをしていて、
話す内容が、全て現在と未来のテーマだ。
老人特有の過去の話は皆無だった。

人が老朽化する原因は以下の三つだと思う。
固定化した人間関係
Web社会への拒絶感
海外渡航のコモディティ化

人は誰でも成功体験を忘れられない。
そして、その体験を傷つけるような人を避けて生きようとする。
当然、己の成功体験を知らない若者も避けたくなる。
そして、老人だけと群れるようになる。
この老人に固定化した人間関係こそが、老朽化の最大原因だ。

この1週間に食事やお茶をした人の平均年齢は?
これが自分の年齢よりはるかに下だったら
老朽化の危険はひと先ず去ったと言っていい。
古希の私の場合は、人数で5人、平均年齢で40歳くらいだ。
もちろん、安全圏と確信している。

竹村健一の同世代は
中曽根康弘、鈴木宗男などで、
未だに彼ら超老人とだけの親交を温めているとしたら、
評論家としてはもう使い物にはならない。
だから、テレビから消えて久しいのだろう。
※官房機密費受領というアキレス腱もあるが・・・

ネットサーフィンをする老人は多いが、
ITを深く理解している老人は少ない。
例えば、フェイスブック、ブログ、ツイッターを使い分けて、
ビジネスに応用できている人は、
とりあえずは、老朽化していないと言えるだろう。

海外渡航がコモディティ化したことが、
竹村健一のような評論家の存在価値を薄めたことは
あまり気づかれていない。

つまり、こうした時代の変化に対応できない生き方をしていると、
自分には何の非が無なくとも
老朽化のレッテルを貼られてしまうのだ。

竹村健一はフルブライト留学の1期生。
それこそ海外渡航が困難な時代で、それだけで偉大だと尊敬された。
当時は海外に行っただけで価値のある人になれた時代。
それが今では海外渡航など当たり前の時代だから、
うっかり「海外留学した」なんていうと、
「日本での落ちこぼれか」などと疑われてしまう。
もう海外渡航や海外留学にアドヴァンテージはなくなっている。

歳をとっても現役として扱われたかったら、
絶対に老朽化しないように努力すべきだ。
もちろん、隠居するなら何の頑張りも必要ない。

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