強い立場が好きだ。
自分を弱い立場に置きたくない。
その延長で、立場をわきまえない人とは縁を持ちたくない。
学習塾での塾長と先生。
「先生に辞められたら困る」と思っている塾長としての自分の立場が情けなかった。
それを見透かしたように「給料を上げてくれ」なんて言われると悲しくなった。
だから、最終的には自分が塾をやめてしまった。
管理組合の委員と住民。
「委員さんのお仕事大変ですね、いつもありがとうございます」
そんな風に人の立場を理解し、感謝してくれる住民ばかりではない。
長期修繕委員をしていたが、見当違いにケチなんかつけられたので即辞めた。
最近、ペンキの種類も知らない連中が鉄部塗装の見積額の是非を話し合っている。
どこがどう高いのか分からない住民同士が話し合っているのも滑稽だ。
こんな調子では、目に見えない損失が10年で5千万にはなるだろう。
立場が理解できない人たちほど怖いものはない。
土地を借りて、時間貸し駐車場を経営している友人との会話。
「汚い地主がいてね、賃料を高くするために何社からも見積もりをとるんですよ」
「それは普通のやり方じゃないの?」
「でも、本命はやる前から決めてあるんです」
「じゃー、一社以外は全てがダシってこと?」
「そんな奴に何度も日参して頭を下げるんですよ」
話しを聞いているだけで胃がキリキリ痛んできた。
とてもそんな弱い立場で仕事をすることはできない。
ましてやそんな汚い奴はその場で殴ってしまうかも知れない。
夫婦の夫と妻。
「俺が外で働いているからお前は飯が食えるんだ」と威張る夫。
「私が食事の支度をしているんだから少しは家事を手伝ってよ」という妻。
どちらも私には気に食わない。
お互いの立場を相互に感謝し合えるような関係がいい。
テナントビルのオーナーと借主。
「ビルを利用していただき本当にありがとうございます」
こんな気持ちでビル経営をしている。
「素敵なお部屋を貸していただき本当に感謝しています」と言う借主。
素直に感謝し合える同等の関係がいい。