コーポラティブハウス

いつもの仲間が集う小料理屋、気の合う林田さんの隣の席を取る。
「今日はフランクフルトと野菜のスープがお奨め」と彼が言う。
彼の舌は確かなので、彼の薦めに従ってそのスープを注文する。

今夜の話題は、「理想の人間像」
開高健のベトナム戦争体験を通して綴られた人間像を語り合う。
来年還暦の彼は、私と同じマンションの住人で、12年間の飲み友達。

だから、最後には、マンションの住人がまな板にのる。
~代目の理事長のPさんついての彼の評価。
「人として満点に近いが余裕のなさが器の小ささを感じさせる」
N銀行の中堅社員だが、とても社長の器ではないと話しが弾む。
家族を大切にし、趣味のスポーツにも熱心で、礼儀正しいのだが・・・

フランクフルトとキャベツとニンジンを炒めている音が心地よい。
次は、~代目の副理事長さんがまな板の上に。
「自分の意見を押し付けず、相手を理解しようとする出来た人だね」
「ただ、話しが具体的になると、仕事が振られないように逃げる技も凄い」
要するに、世渡り上手ってことに落ち着く。

彼が次に挙げたのはなんとこの私。
「面白くて、感情的で、強引で、結論が早いが危うさを秘めている」
言いたい放題で、更に付け足す、
「人の意見に耳を傾けている振りをするが、結局は独断専行」
「だけど、一番汗を流して要領悪く損をしながら貢献したのも事実」
と、最後には少し持ち上げてくれる。
結論は、「理想的な人間はあまり仕事が出来ない」ということになった。

「マンションって現代版の長屋で、実に楽しいところだ」と林田さん。
私がいつも感じていることを彼が言ったのが嬉しかった。
「出来れば、もっと多くのマンション仲間がこんな所に集まって、
お互いが人間磨きを出来たら楽しいのにね」
「そうね、コーポラティブハウスみたいなマンションに育てられたらね」
そう言って、彼と乾杯をしたのだが・・・・・

これはやっぱり真夏の世の夢だろう。


横須賀にはこんな自然が残っている。

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