リース倒産

11月の理事会のメインテーマは
AED(自動体外式除細動器)の購入。
心室細動になった心臓に電気ショックを与え、
正常なリズムに戻す今流行の医療機器を
このマンションロビーに導入しようというのだ。
日本一のマンションを目指してのいい提案だと大賛成。

70歳以上の方が20人以上もいるので
反対者はゼロだったが
問題になったのはその購入方法。

ぼさぼさ頭の40前後の理事が口を開く。
「絶対にリースの方がいい」と
その有利性をまくし立て、謙虚さがまるでない。
「自分の意見は絶対に正しい」というその傲慢さが許せない。
最後に、「・・・と思いますが」と一言でも言えば可愛いのに。

自己資金がある場合なら100%、買取の方が得なのだが、
リース屋は保険をつけたり、リースアップ後の所有権移転など
色々とリースのメリットを並べ、お客を惑わせる。

AEDの動産保険など年に6千円以下でかけられるし
技術革新の速い商品をリースアップ後に自己所有しても意味がない。
またリースの方が早く費用化できるというが
マンション管理組合に費用化の必要性がない。
そんな説明をしたら、彼は下を向いて唇を噛んでいる。

たまにある超低利の戦略的リースなら話は別だが、
リースを使って初期投資を減らすのは一種の麻薬だ。
思惑通りに事業が展開しないときには
このスタート時のリース代金が重くのしかかり
早晩、倒産という汚名を負うことになる。
事業の計算が狂うことなど日常茶飯事だということを
長い人生で嫌と言うほど経験してきた。

私の知っている倒産事例のほとんどが
リース代とローン返済の重荷が行き詰まりの原因だ。
若いときならともかく、長い人生の後半に
リース代だのローン返済などが積み重なり
経営難に陥るのだけは避けて通りたい。

豆知識:戦略的低利リース
 外車販売会社は、ニューモデルを出す半年くらい前から
1%台の低金利ローンをつけて現行車を捌こうとする。
これが戦略的低利ローン。
 同じように、何か隠れた目的で低利のリースをつける場合がある。
私の駐車場ビジネスでも、機械を超低利のリースをつけて拡販する
場合がある。機械を売る利益よりは売った後の儲けを狙っている。
リースの利益を無視したこのような低利のリースを戦略的リースという。

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