貸方と借方

もう30年以上、会社の決算をしている。
なのに、貸方と借方の言葉の由来を知らなかった。
年を重ねるにつれ、より恥ずかしくなり訊けなくなった。
「法学部卒だから知らなくてもいいんだ」と嘯く。

3年後、消費税が10%になるなんて
馬鹿げたニュースが流れている。
それなりに対策を立てなければと
「上手な決算対策」という本を買ってきた。
読んでいたら、偶然、この長い間の疑問が解けた。

貸借対照表では、事業のために集めてきたお金の欄が右側。
例えば、銀行からの借入金とか株主からの資本金など。
このお金を左側の欄に貸すから、右側が貸す方、つまり貸方。
「なるほど、そうなんだ」

この右側から借りたお金の運用状態を示すのが左側。
当然借りてきた方だから借方と呼ぶ。
こちらには、現金、預金、商品とかの金額が並んでいる。
「なるほど」

銀行借り入れ500万、資本金1千万を左側に貸したとする。
借りた運用者は、その金で1千万の商品を買い
残りの500万は運転資金として預金したとする。
貸方1500万、当然借方も1500万、バランスが取れる。

その後1年間商売をしたら、当然決算をする。
700万円分の商品に300万円の利益をのせて
1千万円が入ったとする。それをすぐに預金する。
商品の残りが300万円、預金は1500万になる。
借方の合計は1年間商売をして、
預金と商品を合わせ1800万に。
この増えた300万は利益剰余金として右側に載る。
だから、1年後は貸方と借方が1800万に成長する。
貸借対照表に見る企業活動の基本的な姿だ。

「そういえば、友人のAがこんなことをよく話していた」と
急に彼のなんとも言えぬ優しい笑顔が目に浮かぶ。
こんな基本的なことから書いてある本なのだが
10%の消費税対策もしっかりと説明されている。
「よーし、今後馬鹿げた消費税は一銭も払わないぞ!」

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