管理費大損のからくり

いつもの本屋での立ち読み、
「マンション管理は大損だらけ」というタイトルに釘付けになる。
副題で「大規模修繕費はもう3割安くなる」と更に興味を引く。
私の日頃の思いと似たような考え方の小見出しが続く。

「管理会社は無気力で無知な管理組合が大好き」
サービスをする振りをして、組合役員には出来るだけ仕事をさせない。
Pマンションでは、住民へのお知らせもすべて管理会社が作っている。
だから、役員を1年やっても何も覚えず、無知なまま任期満了である。
管理会社の思う壺、「いい管理会社だ」と住民の評判は上々だ。

「マンション管理費は総じて高すぎる」
例えば、Gマンションの日勤の管理員給与の請求額は430万、
本人に支払っているのは230万。
研修費やその他の雑費を入れても150万以上は抜いている。
しかし、こんなからくりに気付く住民などほとんどいない。
だって、何も気付かないように上手に教育されているのですから。

「管理費は上がるものという洗脳活動」
消費税が上がるのは仕方ないと思っているどこかの国民と同じで、
管理費は上がるものと思っている住民のおおらかさは素晴らしい。
給与や物価が下がる時代に、管理費は上がっても文句は言わない。
上げる必要があるのかどうかなど吟味すらしないで、
「照明は出来るだけ落とせ」と、小さいことにはよく気付く。
事ほど左様に、管理会社の洗脳活動は見事に功を奏している。

「入札なんて嘘ばっかり、裏でばっちり談合が」
管理会社が呼んできた会社から見積もりを出させたって意味がない。
落札会社が決まっているのに、見積もりなんか何社取っても無駄なこと。
なのに、これを入札と勘違いしているお利口さんな住民たち。
今回の大規模修繕でも、数千万円の無駄は出るだろう。
照明を落として浮いたお金はせいぜい数万円だろうけど・・・

ところが、このマンションにはそこそこ高学歴の方が多いのだから驚く。
学校時代の成績って実社会では全く当てにはなりませぬ。
例えば、塗装工事に使う素材にはどんな特徴があるか。
アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素のそれぞれの単価とか、
耐久性、汚染度などの専門知識を彼らが知る由もない。
それを「知らないので・・・」という謙虚さはなく、
学ぼうとする気持ちもなく、知った振りをするから始末が悪い。

それはまるで、今回の原発事故の政府の対応にそっくりだ。
理論ばかりが先行し、実際の事故には全てが手遅れなのだから。
そんなこんなで、こちらも管理会社のやりたい放題である。
バカな私も役を10年やって、やっと利口になって身を引いた。


祇園の夜にはしだれ桜がよく似合う。

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