今夢中なのはコンパクトシティづくり。そして、このシティの周りに欠かせないのが里山。京急長沢駅から徒歩5分で里山の入り口に着く。ここの水辺では白鷺が餌をついばみ、カワセミが見事な舞を見せてくれる。解脱の坂から海を臨めば辛い思いが嘘のように消え去る。
里山とは、田畑、小川、ため池、雑木林が集落と一体となっている地域のことだ。もしここに生活を営む人たちがいないとただの田舎の山地になってしまう。人が住むか住まないかで雲泥の差が生ずる。
田畑、水路、ため池は勿論、雑木林も人の手が入ってこそ生きてくる。山はほったらかしにしたら荒れ地になってしまう。そこで必要なのが「整林」だ。その山に合った広葉樹と針葉樹のバランスを考えた森創りこそが里の生活を守ることになる。つまり、これこそが肥沃な田畑に繋がり、水路を安定させ、ため池の水を保つことになる。
更に一歩進んで、集落のエネルギーもこの自然のサイクルから生むことを考えている。それがバイオマス発電だ。バイオマス発電も再生可能エネルギーの一つで、動植物などから生まれた生物資源であるバイオマスを燃料として発電する仕組みだ。
既に我々の仲間の一部上場企業が津久井の里山の一角に広大な土地を買い、バイオマス発電に取り組もうとしている。山の間伐材や付近の農家から出たゴミなどを燃料として発電するのだ。人が出すゴミをただゴミ処分場で燃やしてしまうことと比べたら、どれほど素晴らしいことかが分かるであろう。
こうして、京急長沢駅前は里山に抱かれた他に類を見ない夢のような街に生まれ変わるのだ。自然があり、文化があり、医療施設が充実し、子供たちの声がこだまする素晴らしいコンパクトシティがもうすぐに生まれようとしている。