幽霊所得VS幽霊経費

不動産賃貸業を始めた頃の私は、
この二つの言葉を知らなかった。
そして、知らないことで頭をひねっていた。
「稼いでいるのに、何故お金が残らないんだろう?」と。

仮に30年返済で1億円を借入れて、
駐車場経営を始めたとする。
返済は利息分が月額15万、
元本の返済が月額25万くらいだろうか。
※例によってかなり大雑把である・・・(笑い)
さて、3月の確定申告での課税所得は
目出度く1千万を少々突破。

そこで、家の生活費分として月30万円(年額360万円)を入れ、
後は所得税200万円と消費税40万円を納め、
残りは貯金をしようとお金を数えた。
あれあれ、現金がほとんどない。「どうして?」
※税率を20%と仮定して計算している。

もちろん、賢い皆さんはその訳はお分かりでしょう。
そう、元本返済の月25万円、年額300万円が課税所得だったのだ。
銀行に払ってしまって、影も形もないので「幽霊所得」と言うそうな。
しかし、現金がなくても立派な所得なので、それには税金までかかる。

家庭に360万、所得税が200万、消費税が40万、元本返済が300万円
私が小遣いとして使ったらしいのが5万×12ヶ月で60万。
そう、こんな怖い借金をして、貯金できたの40万円。

「課税所得1千万円って、大したことはない」と超落胆。
特に地主の子でなく、普通の家に生まれたら
スタートは全て借金でやるしかない。
そうすると、このように幽霊所得に悩まされる。
このときほど、「地主っていいなー」と思ったことはない。

さらに恐ろしいのは、この幽霊は年とともに成長するのだ。
返済完了が近づくと、もう返済のほとんどは元本の返済で、
経費で落ちる利息なんてほんの僅かになっている。
つまり、480万円近くが幽霊なのだから、生活費などほとんど出ない。
ところが、こんな大切なことを知っている賃貸業者は意外と少ない。
※元利均等で借り入れた場合。今の融資はほとんどがこのタイプ。

この難局を突破するためにはどうするか?
今度は、対抗して、幽霊経費を作るしかない。
そう、実際にはその年にお金が出て行かないのに、
経費として立派に認められる減価償却費を増やすしかないのだ。
つまりは、投資をして積極経営に打って出ろということだ。

例えば、アパートを買うとか高い外車に乗るとか・・・
購入経費100万、実質の車代900万(合計1千万)の外車に乗ったとする。
6年定額償却として、年間150万円の減価償却費が生まれる。
とすると、初年度は購入経費と合わせて250万円の経費が誕生だ。

先ほどの課税所得1000万円は750万円に下がり
単純に考えても税金が70万円くらいは減ってくる。
とすると、家に360万、元本返済が300万、
小遣い60万までは同じで、税金だけが130万になる。

「さあ、残りのお金は?」と数えると
何と、減価償却費は実際には出て行っていないので、手元にある。
だから、節税分の70万にあの貯金用の40万と合わせて110万円だ。
本当に大雑把だが、幽霊経費250万円のお陰で、
生活は楽になったのに貯金額は約3倍だ。
更に、家族の車を安いのにして、
それを1千万の仕事用と交換すれば更にお金は浮いてくるので、
実際は200万円くらいを貯金できるだろう。

こうして、課税所得が減ったのに2台目の高い車まで手に入り、
更に、お金が手元に残る。本当にいい事ずくめだ。
だから、銀行が人物評価をするときに、一番気にするのが、
「この人の減価償却費はどのくらいか?」なのだ。
幽霊の減価償却費を経営の打ち出の小槌として上手に利用したい。

関連知識:減価償却
永遠を前提とした企業活動から見た減価償却費の意義

 設備投資は、設備を購入し(=キャッシュアウトの先行)、
事業活動に供して収益を得る(=キャッシュインの創造)ために行われる。
この設備は収益の源泉そのものでだ。
ただ、設備投資には更なるメリットがあり、
設備投資後の減価償却費の効果は絶大なものとなる。
減価償却費は損金となるため、固定資産の取得は
二次的に減税効果(Tax Shield、節税効果)を持つという訳だ。

 例えば、法人税等の実効税率が40%とすると、
減価償却費が百万円ならば、40万円の節税効果をもたらす。
更に、その設備は遅かれ早かれ除却され、
その除却損は損金となるため、
損金は減価償却費+除却損=取得価額相当額となる。

本文中の車購入例について考えたとき、
最初の1千万はキャッシュアウトするが、
企業活動は永遠を前提にしているので、
最終的には、繰り返される設備投資(この場合は車の交換)からの
キャッシュインがキャッシュアウトを大きく上回る。
更に節税効果とより豊かな生活を考えると、
積極的な事業活動家なら絶対に設備投資を続けるべきなのだ。
そうしないと、老後は返済だけのために生きることになる。

 この例を車でなく、まじめにアパート投資とすれば
もっと話は理解しやすいが、私の性格上、
どうしても車を例にしたかった。
車もお金を生むことを知って欲しかったから。

写真説明:賃貸用建物に木造は避けたい。今の日本の気候風土では
     どうしても木造の耐用年数は短くなる傾向にあるから。

カテゴリー: 不動産・ビジネス パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です